放置自転車が社会問題化している背景と対策

大都市に限らず、駅前の広場などに不法駐輪されている光景はある種異様に思えてなりません。

決められた駐輪場で整然と並べられているのと違い、僅かなスペースでも向きも考えずに乱雑に駐輪している光景は盗難や放置の温床になっているのでは、と考えてしまいます。

違法駐輪放置自転車は根本的に意味合いが異なりますが、通勤や通学時の“駅までの足”として利用する自転車が駅前で違法や放置に変貌するのは何故でしょう、自転車の利用者数と駐輪場確保のアンバランスがその事の一因と考えます。

放置自転車の現状については「社会問題となっている放置自転車の現状」により詳しい解説をしています。

放置自転車とは、不法駐輪の弊害は

 放置自転車とは駐輪場のように許可された場所以外に駐輪して、引取る事なくそのままにして置く事。

不法投棄や盗難自転車もあり、持主が傍に居ない状態で放置されている自転車の事です。不法駐輪は指定場所以外に駐輪された自転車が公道をはみ出し、交通渋滞や事故の要因になり大変危険です。

更に、駅前や街の景観を損なうこともあり、自治体や鉄道会社だけでなく商店街など「放置自転車撲滅」に躍起です。

何故、全国的にこんなにも放置自転車や不法駐輪が多いのでしょうか、再考します。

 

放置自転車に関する法律と違法行為による処分

 1994年(平成6年)に成立した『自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律』(自転車法)をベースに市区町村では義務と権限を行使して不法駐輪者の撤去や処分を行っています。

一般的には処分手順として放置された自転車に貼り紙(警告)をして数日間で持主が現れない場合は自治体で回収されます。更に保管場所で12ヶ月経過して引取の連絡が無い場合は自転車の“所有権”が市区町村に帰属する事になっています。

但し、盗難届が出ていない事、犯罪に使用された形跡がない事が自治体への帰属条件です。

回収や処分に至るプロセスは理解できても、ある日突然に自転車が回収される事、新車同様の自転車でも法に反するからと回収して処分する事、回収される人や回収する人の気持ちを察すると、切なさと侘しさを覚えるのは私だけでしょうか!

 

放置自転車(回収自転車)の行方

 回収(撤去)された自転車の保管料は2,0002,500円ですが、市区町村で若干異なります。

現実には引取り率が約4045%で、残りは入札などで中古自転車の仲介業者等に販売されます。

落札した業者は中古ショップ等へ転売や乗輪不可の自転車は廃棄処分して、残りの約半数は東南アジアやアフリカ諸国などの海外に輸出されています。

放置自転車の半数以上が海外で再利用され大変喜ばしき事ではありますが、何か複雑な心境になってしまいます。

全国的には、まだまだ放置自転車に関する社会問題が解決された訳ではなく、まさしく解決の途上であると思います。

 

考えて見ると、自治体の管理(見回り、回収、保管、入札等)は予算的にも大変厳しい現実がある事も事実です。

自転車は使い捨て商品ではありません、通勤通学やお買い物などの貴重な足(移動手段)です。

不法駐輪や放置しなくて済む環境整備は自治体や企業・地域に委ねるのではなく、自転車を利用する人の心掛けと“マイサイクル”に愛着を持って大切にする気持ちがあれば、この課題の大半は解決出来ると信じています。

近年は自治体や関連企業、地域の関係者の地道な努力で“放置自転車”の台数が随分と減少しています。

ママチャリファンに限らず、自転車ファン共々更なる意識改革で前進しましょう。




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