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2017年5月18日
中国北部に位置する天津市は人口1546万人(2015年末現在)、中国北部の対外開放の最前線基地として発展を遂げ、現在は製造、金融、国際物流等の所要として中国の経済発展の重要な役割を果たしている。
人口の推移も2007年1100万人から直近10年で400万人増と人口増加に伴い、社会消費品小売総額は2007年の1,603億7,400万元から2016年には5,635億8,100万元へとこの10年で3.5倍に成長、消費は急速に拡大している。
古くから天津市は製造業が盛んで、自転車産業が盛んな天津市は世界最大の自転車製造・輸出拠点です。
日本国内に輸入されている自転車も半数以上は中国天津で製造されていると過言でないほど、自転車メーカーは天津から輸入してます。
同市の2015年の自転車生産台数は4030万6000台、電動自転車は1612万7500台と、いずれも中国全土ののほぼ半数を占めてます。
市内にはパーツメーカー700社を含め製造組立工場等も含めると計1100社程の関連企業があります。
以前の中国といったら天安門広場前を大量の自転車が通過して通勤通学している印象がとても強い。
しかし現在は、天安門広場前であのような光景はない。
それは、今世紀初め頃からマイカーの保有台数が急激に伸び、都市部では地下鉄の建設が進むなど、都市公共交通機関が急速に整備されて自転車での通勤といったのも一時期と比べると減ってはいる。
しかし、詳細の数字は不明だが、中国全土には2~3億台の自転車があるとみられており、依然として交通手段の重要な役割を担っている。
そのため中国の主だった道路には、自転車専用レーンが広範囲に設けられており、歩道と車道、自転車用レーンが分かれているのが普通である。
中国の自転車事情では今まで解決できない問題もあった。
それは盗難の多さである。日本でも自転車泥棒は沢山あるが中国はその比ではない。
自転車を所有している人は、ほぼ盗まれることが前提になっており、自転車を外で保管などせず、マンションのエレベーターに乗せて自室まで持っていく。
大家族なら、その台数分を部屋で保管した場合は邪魔で仕方がない。
このことが中国版シェア自転車の発想につながっている。いつでも、どこでも、誰でもタダ同然で自転車が使えるようになる。
それくらい待ちのあちこちで自転車がある。
【中国レンタルサイクルと日本のレンタルサイクルとの違い】
中国のレンタルサイクルと日本のレンタルサイクルの仕組みには大きな違いがある。
日本は固定の駐輪ステーションから自転車を駆り出し、使用後にどこかの決められた駐輪ステーションに返却するタイプの「自動管理型レンタル自転車」が東京の千代田区の「ちよくる」をはじめ様々な市区町村に存在する。
しかし中国で今回登場した「シェア自転車」には固定の置き場がない。
街中の路上に自転車があちこちにバラまかれていて、それを勝手に拾って、勝手に乗り捨てる、という仕組みである。
中国全土だと多少の違いはあるが、仕組はだいたいが同じ運営方法でされている。
自転車本体にはGPSと連動した発信装置が組み込まれており、その自転車の現在位置および誰かが使用中か空き状態かが把握できる。
自転車に乗りたい人は、運営会社のアプリをスマートフォンでダウンロードし、自分の近くにある空き自転車の位置が地図上に表示される。
画面上の自転車のマークをタッチするだけで予約は完了、15分間その自転車が確保されて、あとはその自転車の場所に行って、車体に付いているバーコードをスマホでスキャンすればオンラインでカギが開くもしくは、鍵の番号が表示されて乗り出すことができる。
目的地に着いたら、自転車に鍵をかければ自動的に利用が終了し、スマホに料金や利用距離、消費カロリーなどが表示される。
シェア自転車は各社、様々な工夫を凝らしている。
自転車Ofo(共享単車)は安価なスペックで製品構成されており、他社と比較すると運賃が安価な点に反映している。
Mobike(摩拜単車)、Bluegogo(ブルーゴーゴー、小藍単車)はなんとカゴの底面に太陽光パネルを設置。
日中の太陽の光で充電し、GPSの発信電源に電力を生かしている。
その他に修繕管理を簡略化するため、Mobike(摩拜単車)はパンクしないタイヤを採用。
通常の自転車はタイヤはチューブとタイヤで構成されているが、チューブレスでクッション性の高い空洞があるタイヤを採用。
Mobike(摩拜単車)はシェア自転車の最大手であるが他社と比較すると一歩先をいったスペックに仕上げている。
アルミフレームを採用しており、鉄を原料のフレーム構造の自転車と比較すると軽量且つ錆びない事でメンテナンスの軽減を図っている。
合わせてチェーンフリーの自転車も採用している。
1000万台のシェア自転車を展開している会社ならではのメンテナンスの軽減に大きな効果をもたらしそうだ
中国全土で自転車は年間約8000万台が生産されており、今回の中国政府などのバックアップでシェア自転車によるこの特需、、なんと3000万台とも言われている。
自転車製造メーカーは各社毎日、夜遅く日曜日も稼働しているのもわかる。
自転車は100以上のパーツで構成されており、自転車関連の工場は合わせてこのシェア自転車特需に沸いている。
しかしその反面、大打撃をうけている業界もる。
それは自転車販売会社。中国全土で一斉に始まったシェア自転車。
自転車を買うお客様は激減してしまい、すでに倒産している会社も多々あるとのこと。極端な国の施策とそのスピードに対応するのは至難の業かもしれない。
MOBIKE、ofo、BLUEGOGO、MODENAなどがある。
料金形態は各社違うが、登録時には99元から299元のデポジットがいる(退会時全額返却)、使用時には30分0.5~1元(1元は約16.4円)支払い方法は、日本の通信アプリのLINEのようなWECHAT(微信)Alipayなどのスマホ決済システムで簡単に済みます
シェア自転車に限らず光と影はつきものであるが、シェア自転車は中国の街中を歩いていると多々気づく。
バス停の置き場、ホテルの前、観光地前どこにでもある半面、個人的な意見でもあるが、景観を損ねている印象はぬぐえない。
本当に乗ってそのまま置かれているのだ。
パンクしている自転車、チェーンが外れている自転車が街中に置かれているシンガポール、アメリカなど世界各国に中国版シェア自転車が展開される可能性があるが、そのまま実現するのは困難が伴うだろう。
事実、中国のシェア自転車の運営会社「Bluegogo(ブルーゴーゴー、小藍単車)」による米国サンフランシスコへの進出計画に対し、現地では「街中に勝手に自転車を放置するのか」等の反発が起きている。
「自転車の共有」そのものが社会に対する重要性があるのかという根本的な問題を考える必要がある。
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