自転車の歴史

自転車の誕生と今日までの進化には、大きく分類して5段階あったと考えられます。

  • 前後の車輪やサドル付でしたが、ペダルなどの駆動装置はなく、跨いで両足で地面を蹴って走行
  • 前輪にクランクとペダルが付き、地面から両足が離れて駆動する。車体は木製から鉄製に改良
  • 前輪を極端に大きくして、より早く走行出来るようにゴムタイヤやベアリングを採用
  • 安全性を高めるために、チェーン駆動で後輪を回転させて前後の車輪の大きさ(径)を同じに進化
  • 自転車をより快適に走行するため変速機、オートライトやIT技術との融合で新たな価値観を創出

 

世界の自転車誕生と発展経緯

一口に自転車の歴史と申しましても、世界では近代形式の自転車誕生から200年余と日が浅く、日本の歴史に至っては1900年以降となり国内普及ともなれば、100年を満たない歴史と言っても過言ではありません。

簡単に“自転車の歴史”を辿って観ましょう。

1817年にドイツ人によって木製の車体にハンドルを取付けて車輪を縦に二個並べた二輪車が発明されましたが、ペダルはなく地面を足で蹴って走るものでした。

1839年にイギリスで後輪駆動の二輪車が発明され、ペダルを踏み込んで走行可能(ペロシペード型)で足が地面から離れて走行する為に速度が大幅にアップしました。

これが現代の自転車の原型になったのでは、と察する事が出来ます。

1863年フランスで「ミショー型」と呼ばれる前輪にペダルやクランクが取り付けられた自転車の量産化に成功し、再びイギリスに渡りサドルのバネやブレーキ等の改良がなされて世間で認知されたのです。

1879年にはイギリスで前ギアと後ギアをチェーンで結ぶ駆動方式が発明され1885年には量産された。

1888年にはアイルランドで“空気入りタイヤ”が発明され自転車は急速に進化していった。

つまり、自転車はドイツで誕生して、フランスで育成し、イギリスから世界中に普及したのです。

その背景には人々のニーズである「より速く、より安全に、より快適に」が歴史に刻まれていると思います。

 

国内の自転車普及の経緯

国内の自転車の歴史を考察しますと、国内で使用台数が最も多く認知度の高い軽快車(ママチャリ)に限定して自転車の歴史を辿って観ましょう。

1865年頃に「ミショー型」(構造的には軽快車の原型)と言われる自転車が日本に到来したと言われています。

1877年には日本の鍛冶職人によって鉄製フレームの国産品が製造され、更には日米商店の岡崎久次郎が1905年(明治38年)頃に『富士覇王号』の名称で国内製造を行い、更に1947年(昭和22年)に旧三菱重工業の技師がジュラルミン素材で『三菱十字号』を制作しました。

1956年(昭和31年)頃から軽快車やミニサイクルで国内の自転車購買層が増加し、1965年(昭和40年)頃以降は男女兼用の構造で低価格と乗り易さで普及に拍車を掛けました。

 

日本のママチャリ誕生と普及

ママチャリ誕生の背景に、従来の自転車は重心が高く、総重量が22~26kgと重く女性が扱うには不利で自転車の普及を妨げる要因となっていました。

昭和31年頃から「女性用の自転車」に着手し製造販売が開始され、昭和42年頃に20インチ前後のミニサイクルが女性を中心に登場したこともあり、ママチャリが急速に発展しました。

45年頃からは26インチも登場し、昭和50年頃には女性に限定する事無く日常生活と密接に関わり、ママチャリは男女を問わず自転車の主流となり独自の発展と普及で現在に至っています。

 

最新のママチャリについては「最新のママチャリ事情」により詳しい解説をしています。



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